肥満と病気の関係(糖尿病、痛風)

肥満糖尿病痛風

●今回のポイント

  1. 肥満が原因で発生する糖尿病もある
  2. 重症化すると、糖尿病は完治しにくくなり、合併症を引きおこす
  3. 痛風は尿酸値が高まることで発生する病気で、糖尿病につながることも
  4. 糖尿病と痛風の予防は、食生活の改善と運動が効果的

肥満で糖尿病になる人が多くなっています

「肥満と病気」、第2回目は、糖尿病と痛風を取り上げます。

どちらも肥満との関係の深い病気で、最近は20~30代などの若い世代の患者が増えてきているようです。

前回(【c002.doc】へのリンク)の「肥満と病気の関係1 脳梗塞、心筋梗塞」で、肥満には「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」の2種類あり、成人病の原因になるのは内臓脂肪型の方だということをお伝えしました。

今回の糖尿病と痛風も、内臓脂肪型の肥満が病気の原因になることが多いです。

もし今、みなさんが内臓脂肪型の肥満を自覚しているのでしたら、予防のためにも、2つの病気に関する知識を身に付けて、生活改善を行ないましょう。

そもそも、糖尿病と痛風とはどんな病気なのかでしょうか?

 

【糖尿病と肥満】

糖尿病は、食事の時に上がった血糖値(血液の中のブドウ糖の濃度)を下げるために、膵臓から分泌されるインスリンがうまく機能しなくなり、血糖値が下がらなくなる状態が続く病気です。

そして次第に、上がった血糖値を下げるために働く作用が効きすぎて、今度は血糖値が下がったままになるのです。

糖尿病の主な症状は、口と喉の乾き、頻尿、だるさ、体力と体重の減少、そして、重症になると腹痛や嘔吐、ショック症状によるけいれん、最後には昏睡状態に至ることもあります。

肥満になると、まず耐糖能(血糖を処理する能力)障害などの軽い糖尿病の症状になる人も出てくるようです。

ただこの段階では、早めに肥満を解消すると、体の機能は正常に戻ります。

 

怖いのは、そのまま肥満を放置し続けると、本格的な糖尿病になってしまうこと。

このように、肥満が原因で発症する糖尿病を「肥満糖尿病」と呼びます。

 

脂肪の蓄積は糖の代謝を乱します

体内の脂肪が多くなると、糖を蓄えたり消費したりするインスリンを多く必要とするため、糖代謝を司る膵臓などの組織が、常にフル稼働で対応しています。

でも、その状態が長引くと、血糖を処理する組織に次々と異常が起こり始め、糖代謝のサイクルが狂ってしまうんです。

また、インスリンの作用が低下すると、脂肪組織から出る「遊離脂肪酸」もブドウ糖の利用を阻むため、血糖値を上昇させることもわかってきました。

このような異常が重なっていくうちに、糖尿病が発症してしまうのです。

 

糖尿病になってしまった場合でも、肥満が原因で起こる「肥満糖尿病」の場合なら、体重を減らすだけで改善が見られるそうです。

3キロ体重を落とせば、インスリンの分泌状況や血糖コントロール、血中脂質異常がハッキリとわかるくらい改善されるんだとか。

糖尿病が重症になってしまったら、病気を自分で治すのはなかなか難しいですが、肥満ならダイエットで痩せることができるので、自分でも改善することができますね。

 

肥満に気が付いたら意識したいこと

ダイエットをする前に、みなさんにぜひ、行なってほしいのは、血糖値の検査です。

血糖値を急激に上げないことが、糖尿病の予防としては有効です。

血糖値を上げるのは食事の時であり、しかも糖分(砂糖の入ったもの、ごはんやパン・パスタなどの炭水化物など)の高い食事を摂った時に急上昇します。

インスリンは血糖を下げるために働くので、膵臓では一気にインスリンを分泌しますが、急激にインスリンを出し過ぎるために、余ったインスリンが脂肪となって体に蓄積してしまうのです。

それが、さらに肥満の助長をしてしまうんですね。

 

食事の時の血糖値の急上昇を防ぐには、やはり食事の内容と摂り方を考えることが大事です。

最初に口にするものはごはんなどの糖類にせず、野菜などの食物繊維から食べ始めて、タンパク質、そして最後に糖質である主食を食べる、というように順番を決めるだけでも、血糖値がゆるやかに上がり、インスリンの大量分泌を防げるでしょう。

こうした体の仕組みを踏まえたうえで、今の自分の体がどうなっているか、血液検査で調べることは、とても重要なことなんです。

 

20~30代の男性にも増えている「痛風」

続いて、糖尿病を発生しやすい病気、痛風について解説します。

「痛風」という病名の由来は「風に吹かれただけでも痛む」という意味から来ています。

発症率は9割が男性で、立派な大人の男性でも、涙が出るほど痛いのが痛風なのです。

痛みは主に、足の親指の付け根あたりに出ることが多いようです。

 

今までは中高年の男性に多かった病気ですが、最近は食生活の変化の影響か20~30歳代の若い男性でも痛風になる人が増えています。

女性はあまり発症しないのかというと、そうでもありません。

女性が痛風になりにくい理由は、女性ホルモンの影響と言われていますが、更年期以降に女性ホルモンの分泌が減少し始めると、痛風の発症率が上がり、50歳以上では、男性にかなり近い比率になってくるそうです。

 

そんな新たな現代病ともいえる「痛風」とは一体どんな病気なのでしょうか?

そして、肥満とはどんな関係があるのでしょうか?

 

その強烈な症状は、突然やってくる!

【痛風と肥満】

痛風とは、血液中に含まれる老廃物である「尿酸」が一定量以上に増えることによって、それが結晶化し、関節部分に蓄積して激痛を引き起こす症状のことです。

最初は全く気付かずに進行しますが、ある日突然、関節の激痛で痛風と気づくことが多いようです。

 

痛みが起こる場所は、足の親指の付け根が7割近くと最も多く、足首やくるぶし、膝などにも起こります。

痛風の由来の通り、激痛が代名詞のようになっていますが、症状によっては軽い関節痛程度で済むこともあります。

しかし、原因が尿酸値の高さなので、血中に尿酸が多い間は、油断できません。

 

痛みは一週間程度で治りますが、実際には増えてしまった尿酸が、痛み以外の部分にも悪影響を及ぼしています。

例えば、尿路結石や腎臓障害もそのひとつです。

尿路結石もかなりの痛みを伴う症状で、結石が尿路に挟まっている間は背中の痛みが辛いといいます。

そんな痛い症状ばかりが続く前に、早めの対処をしたいですね。

 

しかも、痛風は、高血圧や高脂血症、糖尿病などとも関係が深いことが判明しています。

もし、健康診断などで尿酸値が高いと言われたら、早めに予防、あるいは治療をすることをおススメします。

尿酸値の危険ゾーンは7mg/dl以上、この状態になると「高尿酸血症」と呼ばれ、さらに激痛などの症状が加わった場合に「痛風」と診断されます。

 

不治の病を引き起こすこともある

では痛風と肥満との関係を見ていきましょう。

痛風は「ぜいたく病」と言われていたように、ステーキやレバー、魚卵や魚の肝、エビ・カニなどの甲殻類、アルコールなど、高カロリーでぜい沢な食材を好む人が発症しやすい病気です。

これらには「プリン体」と呼ばれる物質が含まれていて、体に入ると尿酸に変わります。

つまり、このような高カロリー系のプリン体が含まれた食品が好きな人は、尿酸値が高くなりやすく、肥満にもなりやすい傾向にある、という推測ができます。

 

それを示すかのように、痛風患者の約60%の人が肥満傾向にある、というデータもあり、実際に肥満度が高いほど、尿酸値も高いようです。

また、肥満が直接影響をしている例としては、肥満が尿酸の代謝を阻害しているという点が挙げられます。

痛風の人に肥満が多いのはそのためだと指摘する説もあります。

 

肥満の人が痛風になった場合に一番怖いのは、高血圧や動脈硬化など、痛風以外の合併症にかかりやすいということです。

痛風は命に関わる病気ではありませんが、高血圧や動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞は、重症になれば死に至る病です。

それらを誘発しないためにも、痛風で肥満傾向にある人は、早めの減量と適切な治療を行うことで、命の危険から身を守り、激痛からも解放されます。

 

痛風は、アルコールを控え、食生活の改善を行なえば治る病気です。

痛風の人や、痛風予備軍である「高尿酸値症」の人は、プリン体の多いものを連続して摂らないようにするといった食事の改善と、適度な運動で肥満を防ぎ、完治への道を目指してくださいね。

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